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人生は夕方から楽しくなる。ン、ほんとかな?


by Go-in-Kyo-san
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炎_f0203324_15313679.jpg

これは郡上にある山の家の囲炉裏です。桜の木の薪を燃やして、あまごの焼き干しを作っている所です。あまごが余り硬くならないうちに引き上げます。ある程度数がまとまったら甘露煮にします。囲炉裏の火は料理にも使えます。
それ以上に、囲炉裏の火には不思議な力があるように思います。囲炉裏の火に限定されるのではなく、燃える炎と言ったほうがよいかもしれません。ちろちろ、ゆらゆらと燃えている炎を見つめていると心のなかの不純なものが燃えて、心が純化していくように感じてきます。
亡くなった私の兄が名古屋の某ビール工場の課長をしている頃、部下で労働組合の手ごわい連中をこの山の家に連れてきて、囲炉裏の火を囲みビールを飲みながらいろいろ話し合ったそうです。囲炉裏の火を見ているうちに、みんな段々素直になってきて、お互いに言いたいことを言えるようになり、何度か繰り返すうちにみんな兄貴の子分のようになってしまったそうです。囲炉裏の火にはそんな力があると、兄はよく言っていました。
昔、生活の中に囲炉裏があった頃、昔話は婆さんから孫たちへ、囲炉裏の火を通して伝わったのだと思います。密教では護摩を焚いて加持祈祷を行うといいます。あれは護摩の炎によって純化された祈祷者の生命が炎を通して仏と交信するのではないかと思います。炎には不思議な力があることは確かです。私はそう感じます。これは人類が火を発見して以来、脈々と受け継がれてきたDNAなのではないでしょうか?
私たちの日常生活の中に薪などの炎がなくなって久しくなりました。今我々に必要のもののひとつは、炎をじっと見つめる時間ではないかと思います。
Commented by takarinn at 2009-04-12 21:49 x
本当にそのとおりであると思います。
私は30余年ほども前の学生時代に、某地で文化財研究所の土器を洗うアルバイトをしていたときに、焚き火を囲んで暖を取りながら仕事やら、雑談を仲間たちとしたことがあります。
そのとき焚き火の炎を見ていると、人間の原初に帰ったような気分になったものでした。火には人間のプリミティブな感情と交差するような不思議な力?があるような気がしたものです。
写真の囲炉裏の火が日常的にご隠居さんとともにあるというのは、今の時代、とてつもなく贅沢な環境で羨ましいことですね。
by Go-in-Kyo-san | 2009-04-12 16:04 | 山の家 | Comments(1)